非侵襲的人工呼吸器を使用している ALS 患者のオピオイド使用量が多い

しかし、そのような薬を使用しても症状の軽減にはまだ限界があることが判明している

アンドレア・ロボ著 | 2023 年 8 月 22 日

日本での新しい研究によると、疾患の後期に非侵襲的換気を必要とする筋萎縮性側索硬化症（ALS）患者は、人工呼吸器をまったく必要としない患者に比べて、オピオイドの用量が著しく多く、長期間使用していることが明らかになった。

オピオイドは主に息切れを最小限に抑え、痛みを和らげるためにこれらの人々に対して開始されました。 しかし、単一施設での研究に参加した数人の患者は安定した用量に達せず、ほとんどが症状のコントロールを助けるために抗不安薬や抗うつ薬も必要とした。

これらの発見は「オピオイドのみによる苦痛の軽減には限界がある」ことを示唆しており、非侵襲的換気で呼吸を管理されている患者は苦痛を引き起こす他の問題を抱えている可能性があると研究者らは書いている。

研究チームは「オピオイドだけで症状をコントロールするのは難しい可能性があり、多面的な評価とケアの開発が望ましい」としている。

この研究「非侵襲的換気を伴う筋萎縮性側索硬化症患者に対する高用量のオピオイド使用」は、雑誌「Acta Neurologica Belgica」に掲載されました。

ALSは、随意運動を制御する神経細胞である運動ニューロンの損傷と死によって引き起こされます。 これらの細胞が失われると、脳は筋肉の動きを制御できなくなり、患者は徐々に日常の作業を行う能力を失います。

病気の後期には通常、麻痺が生じて痛みが生じ、膨大な数の患者が呼吸困難も経験します。 研究者らによると、これらの症状は、ALS患者の約40％～70％に大きな苦痛を与えているという。

呼吸を補助するために人工呼吸器を使用すると、患者の生存期間を延長できることが研究で示されています。 しかし、呼吸の問題に伴う苦痛は依然として治療が難しいと研究者らは言う。

「[非侵襲的換気] グループは、[機械的換気] を行わないグループよりも頻繁に向精神薬を必要とした」と研究チームは書いている。 このようなメンタルヘルス治療には、抗うつ薬や抗不安薬のほか、興奮薬、抗精神病薬、気分安定薬などが含まれます。

主に痛みの治療に使用されるオピオイドの一種であるモルヒネは、一部の患者にとって、ALS の呼吸困難によって引き起こされる痛みや苦痛を和らげるのに役立つ場合があります。 それでも、「ALS患者におけるモルヒネ投与を扱った研究はわずかで、症例数も限られている」と研究者らは書いている。

オピオイドだけで苦痛を軽減するには限界があります。

ALSの症状を治療するためにオピオイドがどのように使用されているかを明らかにするために、東京の研究者らは、病院でモルヒネ治療を受けている84人の患者のデータを調査した。 すべての患者は死亡するまで追跡調査された。 それぞれが2010年1月から2018年12月までの間にオピオイドを投与され、主に呼吸不全によりその期間中に死亡した。

これらの患者のうち、57 人（67.9%）は人工呼吸器を使用せず、21 人（25%）は非侵襲的換気（NIV）（フェイスマスクを使用した酸素供給）を使用し、4 人（4.8%）は気管切開による侵襲的換気（TIV）を受けました。肺に酸素を届けるチューブを挿入するための気管の開口部。 2 人の患者は気管切開のみを受けました。

「死亡した患者全員には最終的に何らかの形で酸素が投与された」と研究者らは書いている。

患者は主に経口または腹部に挿入されたチューブを介して胃に直接モルヒネを投与されましたが、静脈内投与または静脈内投与、あるいは皮膚パッチによってモルヒネが投与された患者もいました。

その結果、NIVグループの患者は、人工呼吸器を使用しなかった患者よりも診断後、平均して約10カ月長く生存できたことが示された。 しかし、NIV グループは、オピオイドの用量が 65.7 mg 対 31.7 mg と大幅に多く必要であり、これらの薬剤の使用期間が大幅に長く、具体的には 13.3 か月対 1.7 か月でした。